
【写真】shelf volume 09 「Little Eyolf―ちいさなエイヨルフ―」より
shelf
Voice, narrative and dialogue 04
『紙風船/葉櫻』作:岸田國士
構成・演出:矢野靖人
>> 開演時間
6/10(木)20:00~
6/11(金)20:00~★
6/12(土)14:00~ / 19:00~
6/13(日)14:00~ / 19:00~
6/14(月)20:00~
★=終演後「トーク!」実施
>> 料金
一般前売 2,500円
一般当日 3,000円
学生(前売・当日とも) 2,000円
ペアチケット 4,500円
>> お問い合わせ・チケット取り扱い
shelf
tel. 090-6139-9578
e-mail.
info@theatre-shelf.org web.
http://theatre-shelf.org>> shelf
"shelf"はbook shelf(本棚)の意。沢山のテキストが堆積・混在する書架をモチーフに活動を展開。俳優の「語り」に力点をおきつつ、古典、近代戯曲を主な題材として舞台作品を制作し続けている。2008年8月『Little Eyolf ―ちいさなエイヨルフ―』(作/ヘンリック・イプセン )利賀公演にて、所属俳優の川渕優子が利賀演劇人コンクール2008最優秀演劇人賞を受賞。同年10月、同作品名古屋公演(会場:七ツ寺共同スタジオ)にて、名古屋市民芸術祭2008審査員特別賞受賞。
>>演出家プロフィール

矢野靖人 YANO Yasuhito
1975年名古屋生。北海道大学在学中に演劇を始める。2002年2月にshelf始動。同時代に対する鋭敏な認識、空間・時間に対する美的感覚と、俳優の静かな佇まいの中からエネルギーを発散させる演技方法とを結合させ、舞台上に鮮やかなビジョンを造形し見応えあるドラマを創造する手腕が高く評価されている。代表作に『悲劇、断章 ― Fragment/Greek Tragedy』(作/エウリピデス)、『Little Eyolf―ちいさなエイヨルフ―』 (作/ヘンリック・イプセン)等。
>> 演出ノート(案内文)
Voice,Narrative and Dialogeは、俳優の声と語りを出来るだけそのまま素朴に味わいたくて続けて来た企画です。いつもはカフェで短い小説の語りなどをしているのですが、今回はアトリエ公演ということで、スケッチ風の短い戯曲を二編、取り上げてみました。
題材が戯曲ではありますが、俳優の声と語りを味わいたいというコンセプトは基本的には変わりません。
ただ、戯曲、というはなから発語されることを前提に書かれたテキストを扱うだけあって、劇作家の選択にはかえって少し、気を使いました。
結論を先に述べると今回岸田國士を選んだのは近代の作家のなかでは岸田が最も書き言葉としての台詞というものについて、つまり喋り言葉を書き写したものというのではなくて、書き言葉が音声化されることこそが演劇の台詞というものの本質なのだということを先鋭的に考えていた一人なのではないかと考えたからです。
あともう一つ、今回はこのシリーズで初めて戯曲を扱うということから、(現代戯曲ではなく)古典に描かれている“対話(若しくは会話)”を味わうというのはどういうことなのか。もう一度丁寧に考えなおしてみたいと思っています。
日本の近代戯曲は海外のものよりも近く見えて実はずっと遠いのじゃないか、というのが稽古をし始めている今の率直な感想です。
考え始めるとそもそも“他者の書いた言葉を演じることは本当に可能なのか?”という、深遠な、というか演劇につきまとう根本的な問題にぶつかってしまうのですが、
出来ることなら出来るだけその問題からも目を背けずに、愚直に創作に向き合っていきたいと思っています。
どうぞお楽しみに。